不正アクセスの9割以上が、ID・パスワードの悪用によって
引き起こされています。これは、パスワードだけに頼った認証が
いかに危ういかを示す数字です。

IAMの検討を進める中で、必ず出てくるのが
「認証方式、結局どれを選べばいいのか」という悩みです。

SSO

シングルサインオン

一度の認証で複数のシステムにログインできる仕組み。
利便性が高く、パスワードの使い回しを防ぐ効果もあります。

SSOで利便性を高めるべきか

MFA

多要素認証

ID・パスワードに加えて、スマートフォンや生体情報など
複数の要素を組み合わせて認証する仕組み。

MFAでどこまで防御を固めるべきか

端末認証

デバイス認証

登録済みの端末からのみアクセスを許可する仕組み。
人だけでなく「使っている機器」も認証の対象にします。

端末認証は必要か

正解は会社によって異なります。大切なのは
「自社の業務・システム構成に合わせて選ぶこと」です。
社外からのアクセスが多い企業と少ない企業、基幹システムを
多く抱える企業とSaaS中心の企業とでは、最適な組み合わせが
異なります。

POINT ― 認証方式とセットで考える権限設計

RBACとABAC、権限の決め方にも型がある

認証方式の選定とあわせて欠かせないのが、権限設計の
考え方です。役割ごとに権限を割り当てるRBAC
(ロールベース・アクセス制御)
は、組織構造が
比較的シンプルな企業に向いています。

一方、部署・時間帯・利用端末といった複数の属性を
組み合わせて動的に権限を制御するABAC
(属性ベース・アクセス制御)
は、より柔軟な
制御が必要な組織に適しています。認証方式と権限設計は
セットで検討することで、初めて効果を発揮します。

「自社にはどの組み合わせが合うのか」は、現状の棚卸しと
課題分析があって初めて判断できます。次回は、これらを踏まえた
導入方針の描き方――ロードマップ策定について解説します。